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☆主なコンテンツ
1、新着論文 2、論文概説 3、コラム 4、本のレビュー 5、雑記(PC・研究関連)
6、気になった一文集(日本語English) 7、日記(日本語English

2016年12月18日日曜日

2016年総括

ちょっと早いけど、2016年の総括。
今年はこれまでで一番、日本にいる時間が短かった年。
国内でも出張に明け暮れ(野外調査、実験、学会)、正味で研究室にいたのは半分くらいだろうか。。
実験内容も地学試料(貝殻・堆積物)〜水産試料(ヒラメ・貝・マグロ)と多岐にわたり、学生時代とまったく違うことをした一年間だった。

◎1月
IODP乗船前に実験ラッシュ。やっていたのはヒラメの筋肉試料の微量元素の分析。毎日ヒラメを乾燥させては酸に溶かす実験に明け暮れる。試薬を添加するたびに逐次質量の変化を記録する必要があったので、秤量が一番時間を取られた作業だったかな。

◎2月〜3月
IODP第361次航海に乗船。いろんな意味で人生観・研究者観に影響を受けた今年最大の出来事。あまりに多くのことが起こりすぎてここには書ききれない。
モーリシャスの街の汚れっぷりに衝撃を受け、IODPの研究航海のシステムの良い面/悪い面を垣間見、そして様々な国の素晴らしい友人ができ、自分の英会話能力の拙さに情けなくなり(何度か友人に当たってしまったことも)、今後数年間の研究計画の半分くらいが白紙になって打ちひしがれ、2ヶ月間の禁酒生活後(公式には)南アフリカのビールの安さに衝撃を受けて飲みすぎた。

◎4月
IODP航海中に出した名古屋大学・宇宙地球環境研究所の公募に通り、引っ越し。
帰国が4/2なのに、4/4には学会発表(Isoecol)、名古屋大の赴任日が4/18という何とも言えない感じ。下船したケープタウンで休暇、帰国後休暇を取ると言っていた海外の友人からは「日本人はクレイジーだ」と言われカルチャーショックを受ける。
とりあえず先に名古屋入りして大学の宿泊施設に寝泊まりしながら新たな環境に体を慣らす。
後半には早速東北の野外調査に参加。

◎5月
柏から名古屋に引っ越し。新居は生活のしやすい川名駅周辺。今思うととても良い選択だったと思う。教えてくれた名古屋大学出身の友人に感謝。
IODPの憂さを晴らすため、イタリア旅行(ミラノ〜ヴェネチア)。
学振PDの書類作成に研究助成(のちに受かるクリタ水・環境科学財団)の書類作成。
後半はさっそく古巣の柏に出張。地球惑星科学連合大会開催中の研究機関フットサル対抗戦にも古巣チームで参戦。

◎6月
またもや東北の調査に参加し(念願の二枚貝試料が得られた!)、高知コアセンターに出張。そこで得たKR05-15堆積物コアを今年いっぱい処理することに。
東北の調査で得た二枚貝の殻の放射性炭素年代測定の実験に名古屋大で取り組むも、加速器は止まったまま。。
後半は国際学会Goldschmidtのため横浜へ。

◎7月
ひたすら放射性炭素年代測定の実験。途中柏に出張し、6月に採れた二枚貝の削り。
暑い名古屋の夏は実験室内で回避。
伊勢志摩で初の日帰りスキューバ・ダイビング(ボート2本)。
名古屋在住の小〜中学校時代の同級生とプチ登山〜下呂温泉日帰り旅行。

◎8月
前半に宇宙地球環境研究所・年代測定研究部の地域貢献事業で水月湖へ。下見もし、水月湖の年縞堆積物について色々と詳しくなった。
残りはひたすら放射性炭素年代測定の実験と浮遊性有孔虫の拾い出し。
プライベートではお盆に三河湾の佐久島へ。アートの町を推す観光地であり、サービスの悪さ、人の多さ、暑さに辟易。
またまた柏に出張。クリタの助成金謹呈式に参加(周りがスーツの中、ポロシャツで浮く)。
宇宙地球環境研究所で一部の研究者・学生がやっているフットサルにも参加。

◎9月
放射性炭素年代測定の実験と浮遊性有孔虫の拾い出し。
日本海洋学会@鹿児島大学〜日本地球化学会年会@大阪市立大学にハシゴ。はじめて基調講演の機会をいただいた。
海洋学会ではフットサル交流会に参加。
後半はまた東北の野外調査(水温がもっとも高くなる重要な時期)。

◎10月
放射性炭素年代測定の実験と浮遊性有孔虫の拾い出し。
途中10日間、IODP第361次航海のサンプリング・パーティーのためテキサスA&M大学へ。

◎11月
柏に出張し、クロマグロを捌く。
2週間名古屋で過ごし、また東北の野外調査に参加。名古屋にいる間はひたすら浮遊性有孔虫の拾い出し。
ニューイヤースクール(地球科学若手の会)と地球環境史学会に参加。

◎12月
11月の野外調査の直後、学振PDの面接のため四ツ谷の本部ビルへ乗り込む。
その次の週は柏に出張し、クロマグロを捌く。
浮遊性有孔虫の拾い出し(KR05-15コア)はひと段落したけど、まもなくIODPの堆積物コアが到着するので、今年度の残りはひたすらこちらを捌く。
金沢大学に出張し(初の金沢!)、有孔虫の殻の洗浄法について、教えていただいた(来年度、いよいよ浮遊性有孔虫のホウ素同位体分析をスタート!)。
名古屋大学の加速器も動き始めたので、東北の二枚貝殻と海水の放射性炭素年代測定も少しずつ、データが出ることを期待(卒論・修論の時期が過ぎたら、かな?)。
出張中に学振PDの面接の結果が開示され、無事合格(三度目の正直!)

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これまでいた柏の大気海洋研究所は、学生・ポスドクも多く、昼にはフットサル・サッカーで教職員・学生くんずほぐれつ交流し、月に一回は必ず飲み会(研究所主催のふらっとアワー、私主催の七輪の会など)をしていた。
一方、今いる宇宙地球環境研究所では同じ部署の人ともあまり顔を合わせることがなく、交流会みたいなものも特にない(同世代のポスドクがいない)。
ギャップの大きさに寂しさを覚える日々を過ごしていたけど、新たな環境で学ぶことはとても多かった。今後の研究者人生を考える上で、重要な一年間を過ごすことができたと思う。
来年こそは論文用のデータをたくさん取る、飛躍の年にしたい。

2016年12月11日日曜日

気になった一文集(English ver. No. 29)

Regardless of any particular political target, the work can shed light on what deep decarbonization might mean for both human societies and the natural environment.
政治的な目標が何であれ、そうした試み(1.5度温暖化の影響評価)は徹底した脱炭素が人間社会と環境にとってどういった意味を持つのかを浮き彫りにする。

This wouldn’t staunch their use much unless all governments participated — which is hard to imagine — but in theory it could help to drive up the price of oil, gas and even coal, making renewable energies a bit more competitive.
すべての政府が参加しない限り、こうした施策(これから供給される化石燃料を制限する)が化石燃料の使用を大幅に止めることはないだろう(そしてそれは想像しがたい)。しかし、理論的には、石油、ガス、さらには石炭の価格を上げることで再生可能エネルギーが少しでも競争的になることの助けにはなるだろう。

As it stands, there is minimal evidence that humanity will commit to its maximum climate ambition, but that could change as the impacts of global warming come into better focus.
現状では、人間社会が気候変化に対する野心的目標の約束を最大限に果たすことを示す証拠は極めて少ない。しかしながら、地球温暖化の影響により注目が集まるにつれて状況が変わる可能性は残されている。

The maximum climate ambition needs a firm research backingNature 537, 585–586 (29 September 2016)

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Methane is the second-largest contributor to climate radiative forcing — the change in energy trapped in the atmosphere as a result of greenhouse-gas emissions — and has a global- warming potential 28–34 times that of carbon dioxide (by equivalent mass) over a 100-year time frame. So although average atmospheric methane concentrations are about 200-fold smaller than those of CO2, understanding the causes of increases in global methane concentration is just as important as understanding those for increasing CO2 levels, to aid climate prediction and inform emissions-reduction policy.
メタンは2番目に大きく気候の放射強制(温室効果ガス排出の結果として大気に捕獲されるエネルギーの変化)に寄与している。そして100年間の時間尺度においては二酸化炭素の28〜34倍の温暖化ポテンシャル(同じ質量比で)を有している。そのため、メタンの大気中の濃度は二酸化炭素の約200分の1でしかないが、全球的なメタン濃度の上昇の原因を理解することは、気候変化の予測を助け、排出削減政策に情報を与えることにおいて、二酸化炭素濃度の上昇を理解することと同じくらい重要である。

The relatively short lifetime of methane in the atmosphere (about 12 years) means that measured global patterns of the gas’s carbon- isotope composition faithfully represent the average of recent inputs from the various sources, therefore allowing emission rates to be quantified by source type. 

However, such thermogenic emissions might currently be 60–110% higher than previous estimates, and might have been so for the past 30 years. After accounting for geological seepage, emissions attributable directly to the global fossil-fuel industry (natural gas, oil and coal production) are 20–60% higher than in current global inventories.

Second, the infrastructure for natural-gas production has become less ‘leaky’ over time, which has implications for emissions-weighted policies aimed at mitigating climate change. 
第二に、天然ガス生産のインフラはよりメタンを”漏らしにくくなりつつある”ことを意味し、排出に応じて重み付けがなされる、気候変化緩和政策に対して重要な示唆を与える。

Such convergence will probably come from both directions: more-extensive sampling at sources would help to update the isotopologue database, improving box modelling; and better ambient sampling in key source regions such as the tropics would better constrain fluxes derived from flux-inversion models.

Rebalancing the global methane budgetNature 538, 46–48 (06 October 2016)

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All hypotheses share the basic principle that climate affects resource richness, which, in turn, sets the ‘carrying capacity’ — the human population that can be supported in a given region. This then guides human dispersal.

Today, the Sahara and Arabian deserts form an effective barrier to faunal dispersals out of Africa. But in the past, changes in the orientation of Earth’s axis of rotation at that time invigorated the monsoonal climate and established wetter conditions in the Arabian and Sinai peninsulas, enabling migration paths out of Africa along vegetated, resource-rich corridors.

Climate and the peopling of the worldNature 538, 49–50 (06 October 2016)

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Temperature thresholds have not served well in this respect. They can be useful as environmental quality objectives: science-based, long-term benchmarks for the world to aspire to. But in order to make progress in this direction, we need a set of policy targets that will inspire action.
温度の閾値(温暖化を2度以下に抑えるというパリ合意)はこの観点からはうまく働いていない。そうした数字は環境の質の定義としては役に立つかもしれない。すなわち、世界が目指す科学に基づく長期的目標という意味では。しかし、その目標に向けて前進するには、行動を促すような一連の政策を打ち立てる必要がある。

Unfortunately, in climate policy most governments choose a more progressive stance when talking and deciding, but a more modest one when acting. The Paris Agreement itself provides a striking example: it established a 1.5 °C target while agreeing on a largely voluntary system of nationally determined contributions whose aggregated emission level would result in a temperature increase of 3 °C at best.
不幸にも、気候政策のもとではほとんどの政府が、対話や意思決定の場ではより前進的なスタンスをとっているが、実際に行動するときにはより控えめなスタンスをとっている。パリ合意がその好例である。1.5度目標を制定したにもかかわらず、それぞれの国家が貢献度を決めるという全くもって自由意志のシステムに対して合意している(それらを合算した場合、少なくとも3.0度の温暖化にはなるだろう)。

Wherever the new norm of zero emissions might find acceptance, all new infrastructures powered by fossil fuels would be subject to scrutiny: if the goal is to reach net zero eventually, why still build this and risk further carbon lock-in?
受け入れられる排出ゼロに向けた新たな水準がどこにあろうと、化石燃料によって電力を賄われるすべての新インフラは監視の対象になるだろう。もし目標が総排出量ゼロに最終的に達することであるなら、なぜ依然としてそうしたインフラを建設し、さらなる炭素依存のリスクを負うのだろう?

Of course, a zero emissions target is not immune to failure. But its main purpose would initially be to provide clear direction while not dictating a strict and detailed timetable.
もちろん、排出ゼロ目標は失敗を免れるわけではない。しかし、排出ゼロの第一目標は厳しくて詳細なタイムテーブルを指示することではなく、もともとは明確な道筋を与えることのほうにあるだろう。

On the one hand, researchers will have to accept their relatively limited role in the process of policy formulation and even more limited role in policy action. On the other hand, they should not feel pressured to make pragmatic concessions when formulating long-term environmental objectives that are worth pursuing, as happened with the 2 °C temperature target.
研究者は政策の定文化において比較的限定的な役割しか担わないことを受け入れる必要があるし、さらに政策施行となるとより限定的である。一方で、追い求めるべき長期的な環境目標を定文化する際には、2度温暖化目標に表わされるように、研究者は無理に現実的な譲歩をするべきでもない。


An actionable climate targetNature Geoscience 9, 340–342 (2016)

2016年11月15日火曜日

興味深い英語表現(No. 3)

around the clock
四六時中・24時間

elbow to elbow
(肘とひじを突き合わせて)すぐ隣で

・pros and cons
賛否両論

・whodunnit

推理小説・ミステリー
「Who done it? 誰がやったんだ?」の略ということらしい。

・longitudinal
長期にわたる(研究や調査など)

緯度方向のとは違う使われ方ということで。

・nitty-gritty
問題の核心

・fruitless
無益な、実のならない

・card-carrying
真の、会員証を持った

・head start
幸先の良いスタート

・mortise and tenon
ほぞ穴結合、凸凹

・the length and breadth of
〜の全体、〜をくまなく

・read the tea leaves
未来を占う、運勢を占う

・unearth
発掘する、発見する、明るみに出す

・Who's who
著名人の名簿、有力者のリスト

・high sea
公海

・apples and oranges
水と油

・underbelly
弱点・急所
弁慶の泣き所的な。腹の一番柔らかいところ。

・compare like with like
似たようなものを比較する

2016年10月24日月曜日

IODP Exp. 361 sampling party

I attended at the IODP Exp. 361 sampling party in this November.


Exhibition space of TAM
I arrived at the Texas A&M University after about 15 hours flights (from Nagoya to College Station via Narita and Dallas).

Almost all shipboard scientists met together again, and some shore-based scientists newly joined. 

We are separated in two groups and each group had 6 hour shift. At fist I was in the morning shift (8:00 - 14:00), and later it was changed to afternoon shift (14:00 - 20:00).

Messy sampling table

Marine sediment from South Africa was sometimes so stiff that we needed a lot of energy.

Sampling efficiency increased at first, but reached to saturation after.
We competed each other in that how many samples each group and each sampling table could obtain in the working shift.
Finally we were able to obtain 36,000 samples!!


Before of After the working shift, we went to restaurants nearby and enjoyed chatting.

Nice sunset. Everyday we went to a restaurant near the hotel for dinner or lunch.

 College Station is a city for students, so beer of some restaurants were really cheep!

My friends from around the world!!

Dinner of the last night.
I could not find any interesting place to visit by walk. But I found one good park (Bark run).

a squirrel I found in a park


The sediment samples will be shipped in the coming two weeks to each institute.
After the arrival of samples I will soon start sieving the material in order to collect foraminifers.

2016年10月4日火曜日

二枚貝の軟体部・殻への重金属の蓄積(Schöne & Krause Jr., 2016, GPC)

Retrospective environmental biomonitoring – Mussel Watch expanded
Bernd R. Schöne, Richard A. Krause Jr.
Global and Planetary Change 144, 228–251 (2016)
より。

二枚貝の軟体部・殻の微量元素・有機物分析を利用した環境汚染研究のレビュー。
これまで軟体部や殻の全岩分析が利用されてきたが、殻断面の成長方向に沿った分析が重要であることを強調。また、動物としての生理をよりよく理解することが殻の化学組成の理解に必須であることを指摘。

以下は個人的に重要だと思った項目についての各章ごとのメモ(手抜きした論文概説)。

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2. 成長線

・蝶番部に見られる凹凸構造は、貝殻の開閉の際に捻れることを防いでいる。

・殻は外層と内層に分かれる。外層と内層は見た目で判断できるが、結晶構造・有機物量・化学的にも異なっている。
殻が閉じると嫌気呼吸となり、酸性の代謝物が内層を溶かしている

・殻皮は貝をウイルス感染や溶解から守っている。さらに外敵へのカムフラージュの役割もある。

・殻の石灰化が起きる部位は海水からは隔離されている。石灰化の際、
Ca2+ + HCO3- = CaCO3 + H+
の反応によって石灰化部位が酸性的になるが、脱炭酸酵素(Carbonic unhydrase; CA)の働きで代謝産物のCO2がHCO3-に変換されるなどして過剰に酸性にならないように抑えられている
受動的なイオンチャネルによるイオン輸送だけでは石灰化に必要なイオンを補えないため、Ca2+ATPaseに代表される酵素が働いていると考えられる。
また様々な有機物(キチン・たんぱく質・脂質・ムコ多糖・グルコサミン)が石灰化に関与している
自然界では不安定な、アラゴナイトやバテライトといった結晶系の炭酸塩を貝は分泌している。
有機物以外にも各種微量元素が輸送され、殻に取り込まれている。以下の取り込みが考えられる。
(1)結晶表面への吸着(2)有機物に取り込まれている(3)結晶内でCa2+を置換(4)炭酸塩以外の結晶に取り込まれている

エキソサイトーシス(exocytosis)によって、小胞を通じて体内の異物を体外に除去する機能がある。毒物の蓄積・除去に重要な役割を負っていると考えられる。

・殻の形成周期は種ごとに様々ある。潮間帯の種は生息環境が浸水してる間により成長するため、小潮の潮位差が小さい時によく伸びる。逆に大潮では干出の時間が長くなり成長しにくくなる。

・年成長線にはS・Sr・Mg、有機物の濃集・欠乏が見られることがある。さらに微細結晶構造もより原始的になる。


3. 二枚貝の生理と生態

・ムール貝に比べ、カキは重金属を蓄積しやすい

・イシガイ科を例に挙げると、亜鉛はどの個体も同程度の濃度に保たれている一方で、カドミウムはサイトごとに異なる(水塊を反映する)。元素ごとに生物にとって必須/不要かがあるので、恒常性(ホメオスタシス)が強く表れる場合とそうでない場合がある。

金属またはその他汚染物質が組織から除去される速度(生物学的半減期)は種ごとに異なる。そういった特性を把握することが、殻の地球科学分析の結果の解釈にも重要(時間解像度の平均化の問題など)。

・外的要因(塩分・酸素濃度・水温)によっても元素の取り込みが変わることがある。
例えば低塩分ほどカドミウムやクロムの取り込みが多くなる一方、亜鉛にはそうした傾向が見られていない。その理由は貝の生理に関係したものや堆積物中の無機化学プロセス(元素の動態・反応性が変化する)に関係したものまで、様々ある。

・同じ二枚貝でも種によって微量金属元素の取り込み方は異なる。例えば、取り込んだ水銀の排出速度も種ごとに異なる。おそらく金属の取り込みのメカニズムに多様性があることが原因。貝殻へと除去する過程もあるかもしれない。


4. 重金属汚染

・軟体部に比べ、殻は保存が容易で環境中の微量元素を反映しやすいという利点がある一方、必ずしもすべての種の殻に環境の微量元素濃度が反映されるわけではない

・微量元素の濃度は年齢、微細構造でも異なる可能性があり、全岩分析(whole shell, bulk)によって標本間の比較を行う際などには解釈に注意が必要である。殻は常に同じ速度で形成されるわけではなく、ある時期のある時間に形成されるため、バイアスがかかっていることに注意が必要。

・遺跡から発掘された貝を利用して現在と過去の金属汚染を議論したい場合、埋没後の続生作用も考慮すべきである。

貝殻への微量元素の取り込みは殻の部位ごとに異なる。すなわち、成長速度が大きく影響していると思われる。生息密度は殻の形状に影響するので、重要な因子であると思われる。

・殻の鉛の経年変動を使った研究は、ガソリン利用の開始など人為起源の鉛汚染をうまく捉えている。コントロールサイトの設定、複数個体の分析などが必要。


5. 続生作用

・生物の死後あるいは存命中に殻の微量元素濃度が続生作用を被ることがある(ある元素の濃度が増加/減少する)。アラゴナイトのカルサイト化や間隙水からの二次カルサイトの沈殿などがある。
ラマン分光やSEM、XRDを使ってもともとの構造が保存されていることを確かめることが重要。

2016年9月19日月曜日

16'日本地球化学会年会に参加

大阪市立大学で行われた日本地球化学会の年会に参加しました。
今年は6月にGoldschmidtが行われたこともあり、規模がやや小さめでの開催となりました。
私は今回、基調講演(招待講演)ということで、海洋酸性化と炭酸塩ホウ素同位体指標のレビューを行わせていただきました。

立ち見が散見されるほど、多くの方々に話を聞いていただけ、大変嬉しく思いました。
これまでTwitterやブログなどを通じて、人為的気候変化の緩和に向けたアクションを求めるよう訴えてきましたが、あまり私の口から直接的に発言することはありませんでした。
今回の講演では、最後に一言だけサンゴの危機的状況と保護策について述べさせてもらいました。

今年の夏は特に暑かったことは記憶に新しいと思いますが、地球温暖化にエルニーニョの影響が上乗せされた結果と考えられます。
近年、サンゴ白化に関するニュースが多くなってきたように感じますが、今年の沖縄におけるサンゴの白化はニュースでも報じられるほど激しいものだったようです。
サンゴは温暖化に対して非常に脆弱で、熱耐性を超えると共生藻を放出して白化してしまうことが知られています。そのままですぐポリプが死ぬわけではありませんが、白化が継続するとやがてエネルギー不足に陥り死に至ります。
温暖化を野放しにしたままだと、今後も白化現象がさらに増えることになることは明白です。さらに悪いことに、海洋酸性化の影響もまたサンゴの石灰化を阻害するレベルにまで達しています。
温暖化による白化と酸性化による石灰化阻害。両者を同時に解決する方法は二酸化炭素排出を大幅に抑えた上で、さらに大気から除去する方策を講じるほかありません。
不確実性は大きいですが、今世紀中ごろ、2050年には日本沿岸からサンゴが消失すると考える研究者もいます。
そうならないためにも、脱炭素社会の実現に向けて、歩みを早める必要があります。

話が多少逸れましたが、今回の学会では初めて企業のランチョンセミナーに参加しました。
質量分析器を扱うサーモ(Thermo)とニュー(Nu)の2つの催しに参加し、それぞれレーザーアブレーションICPMSとMC-ICPMSについての最新の話題を聞かせていただきました。
分析技術の進展は目覚ましいものだな、と感心させられるとともに、Break throughを切望する科学者側からのニーズもまた、技術向上を後押ししているのだということを実感しました。

酸素炭素同位体の測定必要量の微量化、
海水中の超微量元素の測定、
これまで測るのが難しかった同位体を新型ICP-MSで測定、
生物濃集を利用した超微量元素の同位体測定、
など、地化学会ならではの話も多く聞け、たいへん実りある3日間でした。

2016年9月14日水曜日

16'日本海洋学会秋季大会に参加

鹿児島大学で開催された日本海洋学会の秋季大会に参加してきました。
今日も開催されていますが、私は途中離脱し、大阪市立大学で開催されている日本地球化学会に移動しました。

私は海洋学会の会員ではなく、今回は初めての参加でした。

会場数が少なく、3つのセッションだけが同時進行していました。大きめの箱に同分野の出席者が一同し、活発に議論するのが特徴だと感じました(質問も多くて鋭い)。
海洋物理と海洋生態(特にプランクトン・バクテリア系が目立った印象を受けた)の2大巨塔の発表が多く、観測ベースの素過程を研究対象としているものが多かったように感じました。
私がやっている古海洋学では季節変動よりも優れた時間解像度が得られることはほとんどないため見過ごされてしまいますが、日・週といった時間スケールの話も海洋観測ならではだな、と感じました。

大気海洋研究所の方々を始めてとして、知り合いにも多数挨拶できたのは良かったです。
たとえ所属が変わっても、こうして学会等では今後も顔を合わせるのだな、と再認識したところでした。

次回の秋季大会は東北大学とのこと。恒例のサッカー大会も開催されるので、また来年も覗いてみようかな、と思いました。

サッカー大会の懇親会後の集合写真

2016年9月7日水曜日

研究に使えるMacアプリ+iPhoneアプリ(part.5)

研究に使えるアプリシリーズ。
前回の更新からかなり時間が経っていたのと、使用環境に多少の変更点があったので、ここでもう一度簡単にまとめてみたいと思います。

前回の記事はこちら(part.1part.2part.3part.4

2016年8月25日木曜日

気になった一文集(English ver. No. 28)

Food-waste reduction campaigns encourage consumers to become more aware of the extent and consequences of food waste and how adopting small, daily behavioral changes (such as checking the fridge prior to shopping) can help to tackle the problem.

Food-waste reduction efforts should not distract public attention from the fact that buying less meat—particularly red meat—is even more effective for reducing both carbon emissions and pressure on our natural resources.

A broad range of efforts are needed to move toward sustainable food security for all, and each individual consumer contributes both to the problem and the solution.


Waste not, want not, emit lessScience 352, 408–409 (22 Apr 2016) "Perspective"

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The long residence time of an anthropogenic CO2 perturbation in the atmosphere, combined with the inertia of the climate system, implies that past, current, and future emissions commit the planet to long-term, irreversible climate change. As a result, many key features of future climate change are relatively certain in the long term, even if the precise timing of their occurrence is uncertain.
人為的なCO2擾乱の長い滞留時間は、気候システムの慣性と相まって、過去・現在・未来の排出が長期にわたる不可逆的な気候変化につながることを暗示している。結果として、将来の気候変化の多くの特徴は長期的には比較的確かなものとなっている(それが起きる正確なタイミングは不確かだが)。

This long-term view shows that the next few decades offer a brief window of opportunity to minimize large-scale and potentially catastrophic climate change that will extend longer than the entire history of human civilization thus far. Policy decisions made during this window are likely to result in changes to Earth’s climate system measured in millennia rather than human lifespans, with associated socioeconomic and ecological impacts that will exacerbate the risks and damages to society and ecosystems that are projected for the twenty-first century and propagate into the future for many thousands of years.
今後数十年間が、これまでの人類の文明史全体よりも長く続く、大規模で破滅的な気候変化を軽減できるわずかな機会であることを本論文で示す。今後数十年間に下される政策決定が、今後数千年間の気候システムへの変化、今世紀や今後数千年間に及ぶ社会・生態系への影響を決定づける可能性が高い。

(…) even if carbon emissions are stabilized or reduced, atmospheric CO2 concentrations and surface temperatures would remain high and sea level would continue to increase for millennia.
(中略)もし炭素排出が安定化もしくは軽減されても、大気中のCO2濃度と地表温度は高いままであり、海水準は数千年間上昇し続ける。

Model projections based on the RCPs and each of the four emission scenarios shown in Fig. 1 indicate that twenty-first century global average warming will substantially exceed even the warmest Holocene conditions, producing a climate state not previously experienced by human civilizations.
各種排出シナリオに基づくモデル予測結果は、21世紀の全球的温暖化は完新世のもっとも暖かかった時期をはるかに凌ぐことを示しており、人類文明が経験したことのない気候状態を生み出すことを予想している。

Consequences of twenty-first-century policy for multi-millennial climate and sea-level change」Clark et al., 2016, Nature Climate Change "Perspective"

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It is natural to view the changes at this northernmost point in Antarctica as part of the inexorable southward march of anthropogenic climate change.

the oft-heard claim that the peninsula is the fastest-warming place on Earth is accurate only during the winter, as recorded at the Faraday/Vernadsky station on the west coast.

Although recent changes in the peninsula’s climate have been large, the natural decadal-scale variability is also large, making short-term fluctuations inherently unpredictable even in the presence of strong forcing.

This, combined with the large magnitude of natural variability, suggests that anthropogenic climate change may not be unambiguously detectable in Antarctica for several more decades.

Looking at surface-air temperatures13 collected for more than 60 years, the long-term trend is one of warming.


Cooling in the AntarcticNature 535, 358–359 (21 July 2016) "News & Views"

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(...) to complicate matters further, species’ climate sensitivity is not fixed. The phenological mismatches lead to selection on the timing of phenological events. And, because phenology is often heritable, this leads to genetic change in sensitivity.
(中略)さらに状況を複雑にすることに、生物種の気候への感度は定まっていない。生物季節学的な不一致は生物季節学のタイミングの淘汰につながる。さらに、生物季節学はしばしば遺伝するので、感度の遺伝的変化につながる可能性がある。

Interactions of climate change and speciesNature 535, 236–237 (14 July 2016) "News & Views"

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If cheap oil becomes the new normal, there may be no price constraint to prevent burning of the remaining underground oil and gas resources. In such a world, carbon emissions could continue to grow, and temperatures may rise to significant levels if no action is taken.
もし安い石油が新たな基準になってしまえば、地下に残されている石油ガス資源を燃やすことを妨げる価格的な制限はなくなってしまうだろう。そのような世界では、行動が起こされない限り、炭素排出は増加し続け、地表気温はかなりのレベルまで増加するだろう。

They find that long-term oil prices have a significant impact on cumulative emissions: low oil prices hamper climate mitigation action whereas high oil prices boost it.
長期的な石油価格が積算排出量にかなりの影響を与えることが研究から明らかになった。すなわち、低価格の石油は気候変化緩和行動を妨げ、高価格の石油はそれを促進することになる。

Cheap oil slows climate mitigationNature Climate Change 6, 660–661 (2016)  "News & Views"

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Haumann and colleagues’ findings emphasize that Antarctic sea ice is not merely a passive indicator of climate change and variability, but also a driver of changes in the climate system. Through its potential influence on ocean stratification and CO2 uptake, sea ice might have a bigger role than previously thought.
Haumannほかの発見は、南極の海氷は単に気候変化・変動の受動的な指標であるのではなく、気候システムの変化の駆動要因でもあるということを強調している。海洋の成層化・二酸化炭素の吸収に対する影響を通じて、海氷は従来考えられていたよりも大きい役割を負っている可能性がある。

Southern Ocean freshened by sea iceNature 537, 40–41 (01 September 2016) "News & Views"

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The question is not whether Arctic changes are affecting mid-latitudes but rather how and by how much. Framing studies in this way will avoid polarization and aid progress. It is encouraging to see recent collaborations between scientists from what might be considered opposing camps; this sort of productive interaction will move the science, and with it the public discourse, forward.
疑問は「北極の変化が中緯度に影響を与えているのかどうか」ということよりは、「それがどのように・どれほど影響しているか」である。最近、意見が対立する研究者間でコラボレーションが行なわれていることを見るのはとても喜ばしいことであり、こうした生産性の高い相互作用が科学を動かし、大衆との対話を前向きなものにすることにつながるだろう。

Effects of a warming ArcticScience 353, 989-990 (02 Sep 2016) "Perspective"

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Different phytoplankton groups have evolved various physiological strategies that allow them to thrive in marine environments ranging from freezing, nutrient-rich polar waters to warm, nutrient-poor subtropical ocean deserts.

Few long-term time series of pelagic phytoplankton community composition exist, because phytoplankton sampling is costly and laborious and many ocean regions are vast and remote. Laboratory studies often focus on monocultures of a few strains and thus cannot fully capture ecosystem responses, in which physiological changes at the individual level are inextricably linked to changes in the relative fitness of different taxa in a changing environment.

(...) but global warming and ocean acidification may well act in concert to restructure future Pacific phytoplankton communities.
しかし地球温暖化と海洋酸性化は呼応して、将来の太平洋の植物プランクトン群衆を再構成するだろう。

Adrift in an ocean of changeScience 350, 1466-1468 (18 Dec 2015) "Perspective"

2016年8月9日火曜日

Image Jでシマシマを数える・間隔を計測する

もともとはDNA分析(電気泳動によるDNAの明暗バンドの計数)のために開発されたという無料ソフトウエアImage J

Image Jを使うと写真データからシマシマの間隔を計測し、数値データにすることができる。

私自身が使ったのは貝殻の成長線解析。最近書いた論文はこちら(ちゃんと論文にもImage Jを使ったことを記載しました)。

他にも
・タービダイト(乱泥流堆積物)の間隔を計測し、地震の周期を解析する
・年縞堆積物・樹木年輪・サンゴの年輪の間隔を計測することで堆積・成長速度を計算する
などの応用が考えられる。

以下に、簡単に操作法を記しておく。
こちらのサイトではマニュアルの日本語訳などが紹介されている。

2016年7月24日日曜日

最近の実験あれこれ

出張ラッシュも終わり、名古屋で穏やかな日々を過ごしています。

最近は柏で準備してきた二枚貝の試料を、放射性炭素年代測定用にCO2精製する実験か、西赤道太平洋の海底堆積物コア中の浮遊性有孔虫をふるう実験のいずれかをやっています。

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放射性炭素の実験は2日で5サンプルしか処理できないため、なかなか気の遠くなる作業です。というのも、私が測定しようと思っている二枚貝の試料数は約50であり、さらに他の人からも測ってほしいという試料があるため。

冷水二枚貝の一種ビノスガイ

ただ、残念なことに名古屋大学のタンデム加速器は現在お休み中で、秋以降からしか稼働しない可能性もあります。
いざ加速器が動き出したときにサンプルがないではもったいないので、週1くらいをめどにコツコツ準備しています。
といってもまだ15サンプルが終わった程度なので先は長い。。

実験内容としては、1日目に二股試験管に粉末状の炭酸塩試料とリン酸を別々に入れ、5時間ほど真空引き。その後、試験管をひっくり返して反応させて一晩放置。
二股試験管に試料とリン酸を入れたところ

暑い時期ということもあり、ガラスラインの真空ポンプの直前にある水トラップ用の液体窒素がどんどん蒸発してしまうので、1時間〜1時間半ごとに継ぎ足す必要があります。
市販のリン酸には大量の水が含まれているので、この工程は重要であり、作業が終わるときには水トラップに大量の水が捕獲されていることが分かります。

2日目はCO2の精製。炭酸塩とリン酸を反応させるとCO2と水が生じますが、CO2だけを抽出し、ガラス管に封じ込めます。
最終的にはCO2を水素還元でグラファイト(C)に変換し、試料中の放射性炭素を分析します。
ガラス管の中に精製したCO2が(無色なので見えない)


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堆積物の実験はまず堆積物を63μmの目のふるいで水道水をかけながらふるい、不要な泥を除去します(この泥の中には円石藻や珪藻や粘土鉱物が含まれ、研究者によっては宝の山なのですが…)。

JOIDESでブラジル人の友人が処理しているやり方を参考に、見よう見まねでやってみました。


水洗いをしたのち、保管のためオーブンで乾燥させます。このとき、ラベルを中に入れ忘れると大変なことに…

普通の流水よりシャワーの水のほうが圧倒的に早い。あまり強くこすったりすると有孔虫の殻が壊れてしまうので、常に優しく。根気が必要です。



仮保管します。だいたい1サンプル処理するのに30分くらい。
私が測定するのは有孔虫のホウ素同位体。ガラス(ホウ珪酸ガラス)にはホウ素が大量に含まれており汚染の原因になり兼ねないので、プラスチック製の容器を使用しています。


今度はさらに荒い目のふるいでふるい分け、目的とする殻サイズを抽出します。丸っこい有孔虫が多いので、結構転がってどこかに行ってしまいます…

これから実体顕微鏡下で2種類の浮遊性有孔虫を拾い出します。こちらも先は長い…
G. ruber

G. sacculifer


10月にはIODPのサンプリング・パーティーがテキサス大学で行われ、サンプルがようやく手元に届きます。
それらを今回と同じ方法でどんどん捌く必要があります。

ああ、アルバイトスタッフが欲しい。来年度あたり真剣に考えてみよう。

2016年6月17日金曜日

西赤道太平洋の海底堆積物のサンプリング

JAMSTEC高知コアセンターに貯蔵されている堆積物をサンプリングさせていただきました。

今回サンプリングしたのは2005年に研究船「かいれい」によって西赤道太平洋で採取されたコアの上位2セクション(約1.5メートル)。時代は約3万年前から現在。

堆積物中の浮遊性有孔虫を使った研究をするため、深度方向にサンプリングをしました。


へらで2cmごとに印をつけ、堆積物を採取してはユニパックに詰めていきます。



時間が多少余ったので、一部のサンプルについては細かい目のふるいでふるってみました。


白いツブツブしたものが有孔虫などの生物の殻の化石です。

今後、顕微鏡の下で狙いの種の浮遊性有孔虫を拾い出す予定です。とても時間のかかる作業なので、秋くらいまでを目処にコツコツ拾い出したいと思っています。

殻を分析するのは来年度以降かな。

IODPのサンプルが10月に入手できますが、IODPのサンプルに着手する前の測定法立ち上げみたいな位置づけで分析します。

2016年6月14日火曜日

船越湾定期調査(2016年6月)

先週、岩手県船越湾で定期的に行っている調査(大気海洋研究所・清家助教)に参加してきました。

スミス・マッキンタイアー採泥器を用いた表層堆積物の採泥と、潜水による堆積物コア採取を行いました。
最深で20 mの地点でコアを採取しています。

二人一組でコアを打ち込みます(左が私)

選手交代

コアを打ち込んだ後、先端にキャップをし、引き抜きます(人力)


私がこの調査に参加している理由は、清家助教のお手伝いがメインですが、研究対象にしているビノスガイを採取したいためでもあります。
この湾では水深20m地点からしか見つかっていないので、なかなかめぐり合うことがありませんが(潜水時間も短い)、今回の調査では念願の生貝を採取することができました!

私が見つけた1個体は堆積物中に潜っていましたが、2本鈎の熊手でたまたまヒットしました。

沈められたコンクリートの周りには死殻が多数

今回採れたものの中には50歳くらいの私が望んでいた年齢のものも入っていると見込んでいます。
今後、殻の断面の成長線を解析して年齢を明らかにするとともに、放射性炭素を測定し、1955年以降の放射性炭素濃度の急増(Bomb-peak)を捉える予定です。

次回は9月に大槌湾の調査に参加する予定です。

2016年5月18日水曜日

名古屋に移って

研究者のブログを読んでいると,折に触れて文章を書くことの重要性が説かれている.
文章作成の能力は日々文章を書くことによってのみ磨かれる.意識をして書く訓練を積み重ねなければならない.

最近は日本語・英語で公募書類や論文の直しなどを書くことが多く,あまり日常を綴る文章がかけていなかった.たまには普通のことばで文章を書く必要もあると感じ,筆をとる(キーボードを叩く)次第.

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4月18日付けで名古屋大学宇宙地球環境学研究所・年代測定研究部に赴任した.
これまで年代測定総合研究センターとしてあったものが,太陽地球環境研究所・地球水循環研究センターと統合され,今の形になった.
名古屋大学東山キャンパスの北東部の小高い丘の上に新棟が建てられ,年代測定研究部は2号館(正式名称:研究所共同館Ⅱ)の2階にある.
実験環境は1階部分に整えられているが,まだ引っ越して間もないため,実験ができる状態にはほとんどない.

今日初めて2研(1研は総合博物館,2研は野依記念ホールの隣にある古い建物,新棟が今の建物)を見学させていただいた.
私が生まれる前からある建物で,私が大学院にいた時の指導教官の横山先生もかつてこの施設を訪れ放射性炭素年代測定を行っていたという.
私も6月に放射性炭素年代測定に関する実験を一通り教わる予定であり,2世代(?)にわたって同じ実験室で実験を行うとはなんとも不思議な縁である.実験を教えてくれる方もかつての様子を覚えていた.

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IODPの航海中に本公募が出て,しかも採用の通知が来たのも航海中だったため,乗船中に引っ越しの手続きを行うことができなかった(船のインターネット環境では制限が多かったため).
そのためまず赴任日に合わせて名古屋に赴き,しばらくは名古屋大学キャンパス内の宿泊施設(シンポジオン)に滞在した(1泊約4,000円).ただし,この施設は日本人の利用をそれほど想定していないようで,連続して1週間滞在することは叶わなかった.そのため,1泊だけは市内のホテルを利用した.
名古屋滞在中に不動産屋をめぐってアパートを決め,ゴールデンウィークを利用して千葉のアパートから名古屋市内のアパートに引っ越した.
これまで2人暮らしをしていたため,家具の移動は半分で済んだ(家具の半分は新たに購入する必要があった).
ここ数日で注文していた家具類がほぼすべて届けられ,ようやく暮らせる環境が整ってきた.

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名古屋のゴミ回収システムに関して,不満に思うことがある.
燃えるゴミの回収は週に2回しかない.
またダンボールは毎週回収してくれず,集団回収のシステムを利用することになる.車がある人や回収施設の近くに住んでいる人はともかく,それ以外の人には大変不便なシステムだ.しかも集団回収は月に数回のチャンスしかなく,出張の多い私が利用できる日は思いの外少ない.自宅アパートにダンボールを溜めるためのスペースを設けなければならない.

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暮らすための雑貨を購入するため,自転車で市内のいろんなところに足を運んでいる.
ただし,名古屋市内は意外なところに坂道がある.登りきったと思ったらすぐに下る道があり,道の選択を間違うと余分な体力を使うはめになる.
最近ようやく坂道の取捨選択ができるようになってきた.不動産めぐりをしてきたときに担当の方が坂道について熱弁していたが,実際に苦労を経験してようやく坂道の重要性を理解できた.
私が住むアパートは川名駅の近くだが,このあたりは非常にスーパーが多い.西友にマックスバリュにその他の中型スーパーにより取り見取りである.どのスーパーで最安の品が買えるのかを把握したいが,これだけ選択肢があると見て回るのも大変である.
カーマという大型ホームセンターがあり,ここに行けば引っ越し後必要なものがほとんど揃う.
また,少し距離はあるが,自転車で行ける距離にイオンモール・ドンキホーテ・ケーズデンキ・ダイソーもある.荷物の量にさえ注意すれば,ほとんどのものが自転車で買い揃えられ,この辺りを選択したことに大変満足している(名古屋大学出身の友人に紹介してもらった).

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大気海洋研究所には,旧海洋研究所時代からサッカー部が存在し,私も修士1年の時から日々の練習に加わっていた.これまでは毎日のようにサッカーができたが,名古屋大学には残念ながら職員のためのサッカー環境が整っていなかった.学生のチームは非常に多くあるが,社会人らしきメンバーの姿はない.
このキャンパスには非常に良い人工芝のグラウンド(フットサル・サッカーともに)はあるものの,肝心の社会人チームがほとんどないようだ.しかも昼は職員が優先的に利用できるコアタイムに指定されているらしいが,なんとももったいない.
週に1回だけ活動するチームをなんとか見つけることができたので,来週以降参加したいと思っている.

2016年4月20日水曜日

気になった一文集(English ver. No. 27)

We know that any deal emerging from the Paris conference will not solve the problem. Even if nations follow through on the climate pledges that have been made so far, global emissions are projected to rise until at least 2030, and temperatures could reach 2 °C above pre-industrial levels as early as 2032. The UN has set the goal of limiting any rise to 2 °C, but even this increase would not protect the world’s most vulnerable citizens from rising tides, extreme weather and shifting precipitation patterns.

If humans want to keep living on a planet that looks, feels and functions like the one we live on now, it is time to sign an agreement and get to work.

The way forward is through ParisNature 527, 409 (26 November 2015)

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A reasonable chance of attaining 2 °C translates to a finite global carbon budget of about 900 gigatonnes of carbon dioxide from 2015 onward that must be shared in a fair way between all nations.

Renewable energy systems compete even at low oil prices, which in turn closes the door on unconventional, expensive oil, such as offshore oil and exploitation in difficult environments such as the Arctic.

We need an agreement that is good enough to tip the world decisively towards rapid decarbonization. A new treaty does not need to force nations into compliance, but rather should create confidence and send the right signal — to investors, businesses and societies at large — that the global political leadership is turning irrevocably towards a new sustainable era.

To meet the 2 °C limit, the world must cut carbon emissions at about 6% per year.

A ‘perfect’ agreement in Paris is not essentialNature 527, 411 (26 November 2015)

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The analysis also showed that with warmer waters or increased acidification or both, there would be deleterious impacts on habitat-forming species for example coral, oysters and mussels. Any slight change in the health of habitats would have a broad impact on a wide range of species these reefs harbour.

Global marine analysis suggests food chain collapse」The University of Adelaide NEWS & EVENTS (13 Oct 2015)

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The close correspondence between CO2 concentrations and major events in human history points to the fact that the world’s socioeconomic system left its mark on atmospheric CO2 concentrations centuries before the industrial revolution.

To what extent the fluctuations were caused by climatic variations or human activities continues to elude us.


Holocene carbon cycle: Climate or humans?Nature Geoscience 8, 335–336 (2015)

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The ocean acidification community has done this well in a remarkably short time; the oxygen community has yet to step forward as a unified voice across all ocean realms.


Linking coasts and seas toaddress ocean deoxygenationNature Climate Change 5, 401–403 (2015)

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Although most of the past emissions have come from wealthy nations, the bulk of those in the future will come from developing countries. Scientists have made it abundantly clear that every country must do everything that it can, and as fast as it can, if the world is to prevent the worst consequences of global warming.
過去の(二酸化炭素)排出のほとんどが豊かな国々からもたらされた一方で、将来の排出の大半は現在発展しつつある国々からもたらされる。もし世界が地球温暖化の最悪の結末を回避するつもりがあるのならば、全国家ができるすべてのことを、可能な限り早く、行動に移さなければならないことを科学者たちは再三明らかにしてきた。

Although countries agreed to engage in this new process, any action that they take to reduce emissions is on a purely voluntary basis. 
すべての国がこの新たなプロセスに協力することに同意したが、排出量を減らすためのいかなる行動も完全にボランティアの精神に依存している。

A seismic shiftNature 528, 307 (17 December 2015) ”EDITORIAL”

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Climate change is a serious challenge because the atmosphere gives a free ride to countries that emit. If some nations sit back and rely on others’ efforts, the incentives for anyone to act are weakened.
大気は(二酸化炭素を)排出する国に対してタダ乗りの機会を与えるため、気候変化は解決しがたい課題である。もしある国が他の国の努力を傍観し、それ頼みにしたならば、誰もが行動を起こすというインセンティブは減じることになる。

Price carbon — I will if you willNature 526, 315–316 (15 October 2015) “COMMENT”

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Any realistic pathway to a 1.5 °C world will probably require an initial overshoot beyond the temperature target and the subsequent removal of significant amounts of carbon dioxide from the atmosphere, which may turn out to be unfeasible.
1.5 °C温暖化した世界へのいかなる現実な道筋も、はじめは地表気温が1.5 °Cを上回り、その後かなりの量の二酸化炭素を大気から除去すること(を通じて気温を下げること)を必要とするであろうが、それは実現可能性がかなり低いことがのちのち分かるだろう。

The risks for most impacts will be discernibly higher in a 2 °C world than at half a degree less.
2 °C温暖化が招く影響のリスクは1.5 °C温暖化によるものに比べ、目に見えて高いだろう。

An impossible task?Nature Geoscience 9, 181 (2016) “Editorial”

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The climatic changes during the PETM occurred over longer time scales than those of anthropogenic climate change. The impacts of the latter may thus be even more severe.

However, the initial CO2 rise during the PETM took place over the course of a few millennia, about a factor of 10 slower than if humans burned the remaining fossil-fuel resources under a business-as-usual scenario.

What is clear, however, is that the large release of CO2 during the PETM transformed conditions on land and in the ocean in ways that affected the Earth system for more than 100,000 years and that might be considered catastrophic by many people today.

A heated mirror for future climateScience 352, 151–152 (08 Apr 2016)

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Peer review is the backbone of modern science, and academic researchers are expected to participate in the endeavour. Although time consuming, delving deeply into someone else's paper can benefit a scientist's own work. The process allows peer reviewers to read about research before it is generally known and to gain insight into how other scientists write manuscripts and present data.

“Not only will it help you to hone your power of judgement,” she says, “but it is also a great way to broaden your knowledge and demonstrate transferable skills for offering an authoritative view to your peers”.

Peer review: Close inspectionNature 533, 279–281 (12 May 2016)

2016年3月30日水曜日

End of X

We finally decided to finish coring operations in the last site, CAPE.
All laboratory are ready to be closed after cleaning up and returning the things as they were.

Shipboard scientist must keep in shift, until 6:00h on 31 March, and we will leave the JR at 9:00h.
We will go to the hotel together by bus, and that is the end of all activities of the ex[edition.
After that, we are free!

I'm planing to enjoy sight-seeing in the Cape Town, but first of all, I need good beer!

It will be a long day, because I must keep awake for about 20 hours until I go to bed in the hotel.
We have the right to enjoy the party, because 2 month long cruise will finally end.

This is the last diary that I write in English (and from the JR).
I will post a blog about my first experience of IODP cruise, after I come back to Japan, will will be written in Japanese. I hope it will help young scientists who have interests in joining the IODP expedition in the future.

2016年3月24日木曜日

Sampling plan

We  are now in the proximity of the last coring site, CAPE. It is located in the continental shelf offshore of the Cape Town Port.
We stay the last site for a couple of days and get off the ship on 31 Mar 10:00h.

We have finished writing summary of previous three sites and presentations (MZC, ZAM, and LIM).
An introduction of how to sample the sediment core was explained by core curator and we must fill in a special forms before the arrival at Cape Town.
Our sediment cores will be transported to Texas Univ. and later we gather there again for the sampling party, which is planned be held at the end of September this year.
We will stay Texas Core Repository for one week (perhaps), and allocate the sediment according to everyone's request (e.g., 10 cc sample from the top 3cm in Site1474, Working half, Hole A, Core 3, Section 1).

I guess that some of the cores obtained at the last site will be stored without split and being described. The first core on deck will be 6 hours later from now.
It takes several hours to make sediment core at room temperature, so the first core will be described by daytime shifters (I'm in a night shift).

It was long, long two months. I want to take a rest for a while but I must attend at an international meeting held at Hongo Campus (Isoecol) after just "one-day" off.
My Brazilian and French friends said that they will take a vacation after the expedition for 1 month and 1 week, respectively. I realized that cultures and employing systems are completely different among countries.

But, anyway, good beer and wine are waiting for me on land!

2016年3月21日月曜日

Sand and foram

We finished drilling 5th site, Limpopo River.
The sediment was accumulated in a moderate rate and we could reach to Late Miocene.
The sediment contain amazing number of foraminifers. It will be a great paleoceanographic record that we will make during the post-cruise phase.

However, Sedimentation pattern of this site is quite complex, so we concern about sediment drift. Chronology will be the most important issue when we discuss the isotopic and paleontological records obtained from this core.

Now we are heading for the last drilling site, Cape Town. But we have not yet finished describing the sediment from Limpopo as well as that from Mozambique Chanel sediment.
At the same time, we have to think about our post-cruise research and discuss with a lot of people about sampling strategy or potential collaboration.

2016年3月14日月曜日

Great Zambezi River

We arrived at 4th drilling site, near the mouth of Zambezi River.

The water depth is only 400 m, so the coring process is so fast! We obtain a new core every 15 minutes! We arrived here yesterday but have already drilled two holes.
We are describing cores while writing the site report of the previous site.

Sedimentation rate of this site is amazingly high, which is about 1 meter per thousand years (1 m/ka). It is about 30 times faster than the pelagic site (2,000 m water depth).
Main composition of the sediment is quartz and clay minerals transported by Zambezi River. We can also see some remains of plants (e.g., fragments of trees and leaves).

I have never seen riverine sediment cores, thus I enjoy seeing a lot variety of minerals originated from the continent (e.g., zircon and hornblende)
More than 95% pf sediment is consist of terrigenous materials and biogenic ones such as foraminifera, coccolithophore, and diatoms are very rare.

I miss forams so much...

Soon after we finish drilling the 3rd hole, we will leave for the next drilling site, Limpopo River. It takes only 2 days from here to the next site, thus we again will be busy preparing for presentation and writing the site summary.

2016年3月8日火曜日

Mozambique Chanel

We arrived at the 3rd drilling site, Mozambique Chanel.

This area was before drilled under the DSDP cruise (Site 252) and the drilled core is archived in Kochi Core Center.
We expect that we can obtain well-preserved pelagic sediments covering Plio-Pleistocene. Sedimentation is not so high that we will easily get to Pliocene/Miocene boundary.

The sea is covered with a lot of eddies due to complex ocean current systems and characteristic geography, but wave is somewhat calm. I can feel almost no movement of the ship.

After the arrival of the first core, we will spend very busy three weeks until the port call.
We will have to describe sediment cores while preparing for site summary, and then transit to the next site.

I hope I can see a lot of planktonic foraminifers in the sediments that will be used for isotopic measurements during post-cruise moratorium period.

ETA of the first core is when I'm dreaming in the bed today.

2016年3月4日金曜日

Heading north

We are now heading north, the northernmost site of our cruise, Mozambique Channel.

We nearly gave up the drilling at the site, but finally we obtained the permission of drilling!

We are now preparing for reports of previous site, Agluhas Plateau. It still have additional four days until we get to the Mozambique Chanel, so we enjoy the subtropical weather in outdoor bench.

A beautiful sunrise (I have not seen the sunset for one month)

A relax time in picnic table

After the arrival to Mozambique Chanel, we will drill additional three site. Thus, it will be deadly busy in the coming three weeks!

As the remained drilling sites are generally shallow (< 1,000 m), we will get sediment cores one after another.

2016年3月1日火曜日

End of Hole (APT Site)

We drilled 6 holes at APT Site, Agluhas Plateau, and at last left the site.
The weather was fine for the first couple of days but tuned bad later. The weather affected the quality of sediment cores, because ship movements sometimes destroy cores that is ready to be drilled.

Unfortunately, we could not obtain the complete splice core at this site, but could obtain plenty of sediment that is well-preserved.

Foraminifers' shells, of which I have the greatest interest, are abundant in the sediment. Moreover, I enjoyed seeing a lot of diatoms, radiolaria, and variety of minerals in smear slides.
Agulhas Plateau is a sensitive region to past environmental changes, because degree of Agulhas Leakage changed periodically in glacial - interglacial climate changes.
After the expedition I will pick up the forams and measure trace element and isotopes of them. The other day I gave a help to micro-paleontological group, and realized washing, sieving, and picking processes are so hard!

Today is a leap day as well as a half way of the expedition! Thus we call the day as "lump day (leap + hump)". A midnight dance party are now being held. Everyone is dancing in the loud music.

The next coring site has not been decided yet (hopefully, ZAM site), but we are heading north.

2016年2月25日木曜日

過去の風の変動を復元する(Jacobel et al., 2016, Ncom)

Large deglacial shifts of the Pacific Intertropical Convergence Zone
A.W. Jacobel, J.F. McManus, R.F. Anderson & G. Winckler
Nature Communications 7:10449, DOI: 10.1038/ncomms10449 (2016)
より。

赤道太平洋から得られた堆積物コアからダスト量を復元し、1つ前の退氷期のハインリッヒ・イベント(HS11)における熱帯収束帯の変動を議論。

2016年2月20日土曜日

To the next coring site

We finished describing all cores recovered from the first site, Natal Valley. We are now preparing for site reports. Presentation of all sub-group finished yesterday.

The ship are heading south for the second site, Agluhas Plateau, which is the southernmost site of this expedition.

We hope continuous pelagic sediment are recovered from the next site, which will change periodically between subtropical (e.g., forams and cocoliths) and subpolar lithologies (e.g., diatoms).
It means sedimentologist group will be very busy describing cores.

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I go to the gym at least once every two days. My favorites are running machine and weight lifting.

Sometimes I keep my dinner wrapped, and ate them after training.

At the moment , I keep my body style.

2016年2月14日日曜日

The first core

Yesterday, we finished drilling sediment cores at the first core site, Natal Valley.

It was so exciting to see how the drilling device are combined and how coring operation are conducted.

The lithology of the core looks similar to all depth (about 300 m were drilled with almost 100% recovery), so descriptions of the core and smear slide observation is quite simple. Foraminifer shells, that I hope to obtain, are abundant in the sediment, but core disturbances are severe.

Now we are drilling the second core in the same site. As there is no large changes in lithology, it is dull to describe all cores again!

But this procedure is important because both end of cores (upper and lower parts) are generally destroyed and we must splice it with the adjacent cores (Hole B, C etc.).


It takes long time for my body to adopt to irregular rhythm of life in the ship (wake up at 23:00 and sleep at 15:00).

I can not sleep well in the bed although I go to gym every two days for running and training my muscle.

Food in the ship is so nice that I can hardly become fed up with.


We will stay at this site in at least 5 days. We are looking for something interesting and stimulating!

Smear Slide Observation


Sediment core description

2016年2月8日月曜日

氷期の大気中CO2濃度、生物生産、鉄の関わり(Costa et al., Jaccord et al., 2016, Nature)

No iron fertilization in the equatorial Pacific Ocean during the last ice age
K. M. Costa, J. F. McManus, R. F. Anderson, H. Ren, D. M. Sigman, G. Winckler, M. Q. Fleisher, F. Marcantonio & A. C. Ravelo
Nature 529, 519–522 (28 January 2016)

Covariation of deep Southern Ocean oxygenation and atmospheric CO2 through the last ice age
Samuel L. Jaccard, Eric D. Galbraith, Alfredo Martínez-García & Robert F. Anderson
Nature (2016) doi:10.1038/nature16514

より。
ともに氷期における大気中CO2濃度低下の謎について堆積物中の古気候指標から考察した論文。
JOIDES Resolution@インド洋南西部の甲板より。視線の先にJaccordらが得た堆積物の採取地が


2016年2月6日土曜日

From South of Madagascar

Now we are heading for first core site, Natal Valley. We revised the drilling plan because of some diplomatic issue.
There are often piracy in the north of Madagascar Island, thus we are now going in the southern course.

Currently we are discussing how to describe the splitted core, how to handle them, and how to write the report.

It is two days left until we arrive at the first core site. We must make ourselves fitted to day/night shift until the arrival. I'm in a night shift, so I will wake up in the mid-night and go to bed in the afternoon.

I have a really good friendship with members of this expedition, and enjoy a conversation with them so much! We are the family because we will spend dense two months together and our relationship will last for a couple of decades after this expedition, too.
JOIDES Resolution

A sign we found in the town of Port Louis!

Safety emergency drill

A magnificent sunset seen from the JR

A beautiful rainbow when we leave the port

A tag boat pull the JR during the departure

2016年2月2日火曜日

International community

I've got on board the US drilling ship JOIDES Resolution that is staying in Port Louis.

The inside of the ship is so clean and faculty members and staffs are very kind.

I really enjoy the meals here, and sometimes go to restaurant in waterfront area.

Scientific party is very international, and people come from US, Japan, Germany, UK, France, Australia, Brazil, China, and so on. My room mate is French.
I enjoy talking with new international friends, although I don't remember their names yet. The contents of the talk are mainly on science and culture of our own countries.

No one can properly pronounce/remember either Kaoru or Kubota, thus I will tell them "Just call me K".

Dr. K. 

It's a good name because there is a famous character in Japanese comic named Dr. K.
By the way, KUBOTA is popular in Japan owing to famous agricultural company and sake.

We share the cabin by two people in the ship, because a working shift is separated by day/night.
My shit is decided to be night shift. I will work from 0:00 to 12:00 every day. Thus I planed my life schedule as follows,

23:00 wake up

23:20 breakfast

0:00 the shift start

6:00 lunch

12:00 the shift end

12:20 dinner

13:00 training at gym

15:00 go to bed

It is very funny schedule. But considering a jet lug between here and Japan, it is very regular.
Thus, I may not suffer from the jet lug so much after I come back to Japan.

2016年1月29日金曜日

IODP Exp.361 "South African Climates (SAFARI)"

I will join the IODP Exp.361 "South African Climates (SAFARI)" as a sedimentologist.

Today I leave Haneda International Airport (Japan) for Mauritius via Dubai.
(By the way, today is my 29th birthday.)

A drilling ship, JOIDES Resolution is waiting for cruise members in Port Louis already. And it is surprised that R/V Hakuho-maru, a research ship owned by The Univ. Tokyo, also is staying in the same place!

It is for the first time for me to see African Continent, Madagascar Island, coral reefs in Mauritius! So I'm so excited.

In this expedition, I'm going to obtain planktonic foraminifers' samples preserved in the sediment in the southeastern Africa and measure boron isotopes of their shells.
I hope we can get plenty, well-preserved samples, and there is no conflicts between scientists.

We will leave ship at Cape town, Republic of South Africa  after about two month operation in the sea.

I will return to Japan on 2nd April. During the expedition I have to prepare a presentation at a scientific conference that will be held from 3rd April!

Additionally, I will revise two manuscript of scientific papers (one was now under the review and the other will be submitted soon).

Ah, I wanna forget about them because I have to work 12 hours a day without holiday two month.

Bellow are details of the expedition.

Press release from JAMSTEC
Details of the expedition from Texas A&M University

2016年1月10日日曜日

火山性の二酸化炭素が生み出す局所的な海洋酸性化〜将来の海の姿?

海洋酸性化は海に棲む炭酸塩の骨格を形成する生物(サンゴ・貝・有孔虫・石灰藻・翼足類・円石藻・ウニ・甲殻類など)に対して様々な影響を与えると予想されています。

※海洋酸性化については以下の拙ブログ記事などを参照のこと
▶︎ 海洋酸性化の現状(レビュー)
▶︎ 海洋酸性化とサンゴ礁生態系への影響
▶︎ 海洋酸性化の現状(海洋化学の視点から)
▶︎ 「海洋酸性化の生物多様性への影響の報告書」日本語版要約
▶︎ 「海洋酸性化の生物多様性への影響の報告書」一部訳(深海・造礁サンゴに対する海洋酸性化の影響)


琉球大学・栗原研究室HPより