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☆主なコンテンツ
1、新着論文 2、論文概説 3、コラム 4、本のレビュー 5、雑記(PC・研究関連)
6、気になった一文集(日本語English) 7、日記(日本語English) おまけTwilog

2014年5月6日火曜日

新着論文(GRLほか)

G3
Rhizon sampler alteration of deep ocean sediment interstitial water samples, as indicated by chloride concentration and oxygen and hydrogen isotopes
Madeline D. Miller, Jess F. Adkins, David A. Hodell
堆積物中の間隙水を採取するための方法を比較。新たなRhizons方式は従来法に比べて[Cl]とδ18Oともにバイアスがかかっていることを指摘。

GRL
To what extent can interannual CO2 variability constrain carbon cycle sensitivity to climate change in CMIP5 Earth System Models?
Jun Wang, Ning Zeng, Yimin Liu, Qing Bao
陸上炭素が大気中CO2濃度変動に与える役割に着目してCMIP5のモデル結果を解析したところ、正のフィードバックによって熱帯域の温暖化がCO2のさらなる放出へと繋がっていることが示唆。ただしモデルは観測よりもフィードバックプロセスを過大評価する傾向があることが確認された。

Climate variability features of the last interglacial in the East Antarctic EPICA Dome C ice core
K. Pol, V. Masson-Delmotte, O. Cattani, M. Debret, S. Falourd, J. Jouzel, A. Landais, B. Minster, M. Mudelsee, M. Schulz, B. Stenni
間氷期には千年スケールの気候変動があることが完新世においては広く知られているが、それより以前の間氷期には高解像度の記録が乏しいことからよく分かっていない。南極Dome Cアイスコアから得られた気温指標(δD)から、MIS5において短周期の変動が確認された。特にMIS11において確認されていたように、他の間氷期でも氷河化(glacial inception)に向かう以前には特に大きな変動が見られた。またMIS5の変動は完新世のそれよりも振幅が大きく、温暖な状態で東南極氷床が大きく変動していた可能性が示唆される。

JGR-Oceans
Relationships between total alkalinity in surface water and sea surface dynamic height in the Pacific Ocean
Yusuke Takatani, Kazutaka Enyo, Yosuke Iida, Atsushi Kojima, Toshiya Nakano, Daisuke Sasano, Naohiro Kosugi, Takashi Midorikawa, Toru Suzuki, Masao Ishii
海洋表層水のアルカリ度は温度と塩分で近似できることが知られるが、北太平洋においてはその限りではない。塩分と海面高度(sea surface dynamic height)で経験的に近似できることを提案。

Trends in Southern Hemisphere wind-driven circulation in CMIP5 models over the 21st century: Ozone recovery versus greenhouse forcing
Guojian Wang, Wenju Cai, Ariaan Purich
近年南極オゾン層の現象が南半球の大気・海洋循環を変化させていることが知られているが、今後オゾン層が回復し、温室効果が増強する中で循環場がどのように変化するかはよく分かっていない。CMIP5によるRCP4.5と8.5に基づいた予測結果を解析したところ、特にRCP8.5に基づいた2050年以降の未来においては循環場が大きく変化することが示唆された。