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☆主なコンテンツ
1、新着論文 2、論文概説 3、コラム 4、本のレビュー 5、雑記(PC・研究関連)
6、気になった一文集(日本語English) 7、日記(日本語English) おまけTwilog

2022年10月7日金曜日

異動から半年

 最近、色々と書きたいと思うことはあれど、何かの締め切りに追われてつい後回しになってしまう。気づけば書きたいことも忘れてしまう日々。こうやって忙殺されて老けていくのかと思うと少し寂しいような。日々が充実してることの現れなのか。

4月から新しい職場になり、少し通勤したかと思いきや、大槌の調査があり、JpGUがあり、「みらい」航海があり、そしてドイツに2ヶ月ちょっと滞在していたので、特に職場環境に大きな改善もないまま、あっという間に半年が過ぎてしまった。

新しく買った機器はビノスガイを削るために用いるドリルくらいで、まだまだ有孔虫のホウ素同位体の実験を行うほどにはなっていない(あとフィルター、ホットプレート、アスピレーターが欲しい)。来年4月にはポスドクが1名来る予定なので、実験ができる環境の整備を急がなくてはならない。使おうと思っているラボの空気由来のホウ素汚染がどれくらいかなどを把握する必要がある。具体的には火山グループのクリーンドラフトを1台ホウ素ができるように改良したいと思っている(ただしホウ素汚染がひどい場合は諦める)。

とは言っても、最近は名古屋大の共同利用(14C分析)に申し込んでいた、ビノスガイの削りに時間がそこそことられていた。14C分析用のサンプルは今日ISEEに引き渡し、あとは分析結果を待つのみ。

XRD用のサンプルは来週Nさんのもとに持ち込む。分析を技術補佐員さんが全てやるのか、自分も手を動かす必要があるのかは未知数である。

IODP361次航海の有孔虫のホウ素同位体他の分析結果も、論文化をしようとしていたところ、新たに追加実験をしたいことが出てきて、止まってしまった。Yさんが既にやっている実験だから、やり始めればすぐに結果は出そうではある。LA-ICPMSで殻を貫通させる形で、O. universaの殻のMg/Ca比のプロファイルを取ろうと思っている(G. ruberに関してなら、以前AORIでも秋田大の学生さんと一緒にやっていた)。あと、SEMで古い時代のサンプルの表面状態などの観察もできれば(これも利用講習会はもう開催してもらえないので、実際に利用している人にサポートを頼むことになりそう)。

この夏に投稿予定だった5本の論文(ほとんどデータレポートで、1本だけfull report)のうち、3本は投稿できた。1本は上述の通り追加実験が必要。もう一本は共著者のSさんが直に似たデータを扱う論文を投稿するそうなので、それを待って投稿する。

この半年は実験よりも物書きをする時間が多かった。野外調査の実施計画書だったり、自分の論文だったり、共著論文だったり、科研費(分担)の申請書類だったり、web雑誌の寄稿文だったり、国際学会のLOCの仕事だったり。

単に昼サッカーがあるから通勤する日々だったけど、息子も保育園に入ったので、在宅勤務でも十分仕事ができる環境が整った。ここ2日雨だったので在宅勤務だったが、やはり運動不足が気になる。昼ごはんをお腹いっぱい食べることへの罪悪感といったらない。日課の15分間の昼寝は人目を憚らずにできるので、それは大きなメリット。

あとは通勤時間を充実させないと、なんだか損をしている気分になってしまうので良くない(往復の交通費に関しても、もちろん)。ドア to ドアで自宅から職場まで1時間半程度かかってしまうので、1日に3時間も損してる気分である。

朝ちょっと仕事して(できるだけデスクワーク)、昼サッカーして、昼ごはん食べて、午後実験したらすぐに帰る時間(帰りがけに買い出しし、夕飯を作って、20〜21時までに子供に食べさせ、風呂に入れ、寝かしつける必要がある)。

歩きスマホも良くないので、音だけ聞けるものをと、podcastだったり、オーディオブックだったりを最初は聞いていた。しかし、オーディオブックも結構高いので、新しいストーリーは最近全く買っていない。たまたま共済のベネフィットステーションの紹介を聞いていたときに、テンミニッツTVという、名誉教授や教員の動画を2ヶ月間無料で視聴できるサービスがあることを知った。講義なのでスライドを見ながらというのが主だが、音声だけで聞くこともできるので、最近はこれを聞くようにしている。

話題は気候変動、火山、海洋調査、生物の生態と、様々あるので、非常に楽しい。ある程度近い分野の話を聴き終わったら、ちょっと馴染みのないところにまで対象を広げても良いかもしれない。

育児関係のネタも色々あるが、Twitterで小出しにしているので、なんだか長文でまとめる気にならない。思ったことを、思いついた時に吐き出せるTwitterの方が気楽になってしまった。

ただ、最近やはり文章がうまく書けないようになっているので、ブログのように長文を書く機会というのは、とても大事なのだと思う。

ドイツに(というか、IODP航海を除くと海外に)1ヶ月以上滞在したのは今回が初めてだったので、そこで感じたことなどを雑多にまとめてみるのもいいかもしれない。

航海のこともブログには書いてないし、ネタはあるんだけども。ネタは。

今後の予定としては、3月に横山研究室発足20周年パーティー(幹事の1人)、5月にJpGU(セッションコンビーナー)と国際学会(LOCの1人)。夏はGoldschmidt@リヨンとINQUA@ローマを梯子する予定。

科研費基盤Bもコロナでもう一年延長できる見込みなので、それを充てる予定。来年は、色々と研究費申請する予定(どのネタにするかは、未定)。

3年後(?)の定年雇用審査に向けて、色々と成果を出していく必要があるので、実験もしっかりやっていきたいところ。

2022年8月23日火曜日

ANA(ルフトハンザ提携便)の突然の復路便キャンセルへの対応について(メール問い合わせ→電話)

今回自分自身も混乱したが、同じような目に遭う人は多くいるだろうと思い、経緯と解決策についてここに記しておく。

往復便でANAのウェブサイトでドイツ・ルフトハンザが運航するもの(羽田〜フランクフルト直行)を予約した。

往路は良かったのだが(ウクライナの件でアラスカ上空の経路に変更になったり、乱気流で大変な機内食だったり、実は色々あったのだが)、

復路について後日ANAから「ご予約便についての重要なご案内」という件名でメールがあり、読むとルフトハンザの便自体が無くなってしまったので、払い戻しもしくは便変更の手続きをしてください、と。

ANAのサイトにアクセスするも、払い戻しのボタンが表示されていない(ルフトハンザが運航する便だから、だと思う)。

先のメールを読むと、「電話で問い合わせてください」と書いてある。


ただし、今回ドイツに2ヶ月滞在するのに、モバイルwifiはレンタルしてきたし、滞在ホテル等にもwifiがあったのだが、現地の通信業者に対応したSIM等は用意していなかったので、困惑してしまった。電話だって…?

たまたま滞在していたホテルの客室に固定電話があり、外線も対応していたので、電話をかけてみることに。

頭に「0」を付けて、ANAのホームページにあったドイツ国内専用のフリーダイヤル(トールフリーと書かれていたが)にかけると、確かに繋がった!

…が、最初の音声案内までで、その後のつなぎ換えの時に回線が遮断してしまい、問い合わせできなかった(後で知ったのは、日本もしくはアメリカの窓口が対応していたので、その先は国内ではなく国際通話だから遮断されたのかな、と思う)

自分のスマホは(流石に)海外ローミングに対応していたので、おそらく機内モードをオフにして、モバイル通信onの状態で通話すれば良いのだと思ったものの(通話料はおそらく無料)、海外ローミングで高額請求されないかと不安しかなかったので、メールでの問い合わせをすることに。


返信までは数日かかったが、もらった回答によると、やはり電話でしか払い戻しの対応ができない、と(何でやねん!)。

通話料がかかるかどうかは、契約しているキャリアによるので、確認してください、と。


先の案内メールを読み返すと、払い戻しの期限は「1年と30日」とあったので、払い戻しは帰国後に国内通話でやれば良いかと、ひとまず復路便を予約することに。


その後、ANAから2つのPDFが添付された旅程案内が届く。

先方都合でキャンセルになったのに、往復で予約をしていたからか、当初乗る予定だった便が記載されたPDFが1つ目。

2つ目は、改めて取り直した便に関するもの。


念の為、HPで予約内容を確認したところ、「チケット支払い総額:65万円」というとんでもない数字が目に飛び込む。

キャンセルされた分を含めても、そんな高額のチケットを買った覚えはないので、以前やりとりをしていたメールに返信する形で、金額の詳細を尋ねることに。

またしばらくして回答があり、「キャンセルされた場合に、エラーでそのような実際と異なる数字が表示されることがある」とのこと。

それはそれで驚きなのだが、それ以上に重要な情報が同じメールの後半にあった。

なお、今般同じご旅程で重複したご予約をお持ちの状況のため予約窓口の担当者よりお電話にてご連絡をしております。

重複したご予約を解消されない場合には、ご予約、購入済みのフライトも自動的にキャンセルとなりますため、お急ぎ1つのご予約に絞っていただきますようお願い申し上げます。

 


…え!???


それって結局ドイツにいる間に結局電話で問い合わせしないといけないってことじゃないか…。

そうしないと追加でとった復路便も勝手にキャンセルされて、帰りの空港で戸惑うことに。


やはり海外ローミング利用するしかないかとしばらく迷った挙句、大学で使わせてもらってる部屋に固定電話があったことを思い出す。

翌日、さっそくオフィスから電話してみることに。

頭「0」発信では(ドイツ語の何言ってるかさっぱり分からない)エラーメッセージが流れるだけで、外線すらかけられない。

そうだ、通話履歴に外線を利用した形跡が残っているんじゃないか、と思い調べてみたらヒット。

頭「01」発信だった。

掛け直したところ、ようやく問い合わせ窓口に繋がった…!

前回のホテルの電話の時と違い、ちゃんと回線の切り替えもうまくいった(アメリカと日本のどちらかの窓口に繋がるようになっているらしい。)。

音声案内されるままに、ANAマイレージ番号に暗証番号をプッシュ送信し、ようやく案内してもらえると思いきや、「ただいま回線が混んでおり、120分待ちです」と。。

そうこうしているうちに営業時間外になってしまった。実は、本来は24時間年中無休対応らしいが、現在はコロナ対応のせいで12:00-15:00(ドイツ時間)の間だけ、やってないということだった。

しばらく待って、15:00の少し前から電話をかけ始め、さっきもやった手続きを経て少し待つと、想像以上にすぐに繋がった!


あとは電話の担当者にことの顛末を説明し、最初に予約した往復便の復路分の払い戻しをしてもらえることに(家族の分も私が予約していたので、予約番号と名前を伝えて処理してもらった)。

返金処理には2〜3週間を要するとのことだった(まあ、返って来ればなんでも良いよ)。


受付の方が教えてくれたのは、携帯電話/スマホの海外ローミング以外にも、海外にいながら通話する方法。

一つはライン、もう一つはスカイプを利用するもの。

どちらも知らなくて、そのあとググったところ、確かに存在した。ただし、トールフリーの番号にかけた場合に、どのような料金形態かまでは調べきれていない。

Line Outとは?LINE

携帯電話や固定電話の番号に通話する Skype


今回はたまたま出張先が大学だったので、そこの電話をお借りできたけど、国際会議等だったら会場の電話はおそらく借りられないので、こうしたオプションを知れたのは良かった。

現地のスマホもしくはSIM持っている人に、トールフリーだから貸して!とお願いするのもありかもしれないが。

2022年6月20日月曜日

ETOPO1の標高データを使い、色付きの等深線をGMTで描く

※GMTのバージョン4.5.8で正常に動くことを確認しています。最新のバージョンではダメのようです(2018.4.19追記)

※GMT6.3.0でも動くようにスクリプトを書き換えました。(2022.6.20追記)

#!/bin/sh

range=0/50/-50/-30
#size is in cm scale
size=12
reso=l+f
xanot=a10f5
yanot=a10f5
out=S_Atlantic
xy=S_Atlantic_location

gmt grdcut ETOPO1_Bed_c_gmt4.grd -R${range} -G${out}.grd
gmt makecpt -Cocean -T-8000/0/500 -Z > ${out}.cpt

gmt grdimage ${out}.grd -R${range} -JM${size} -C${out}.cpt -E100 -P -K > ${out}.eps


gmt grdcontour ${out}.grd -JM${size} -C2000 -W0.5 -L-6000/-200 -O -K >> ${out}.eps

gmt psscale -Ba2000g1000f1000 -C${out}.cpt -D6c/-1c/12c/0.3ch -O -K >> ${out}.eps
gmt pscoast -R${range} -JM${size} -D${reso} -W1 -Ggray -B${xanot}/${yanot} -A30 -O -K >> ${out}.eps

gmt psxy ${xy}.txt -JM -R -Sc6p -Gwhite -W0.5 -O -K >> ${out}.eps
gmt pstext ${xy}.txt -JM -R -F+f10p,Helvetica,white -D0.2/-0.3 -O -K >> ${out}.eps

open ${out}.eps

これによって以下のような図が描けます。



psxyとpstextに読み込ませているテキストファイルは以下です。

14.482 -39.637 PC10/MC14
44.970 -39.030 SK200/17
13.563 -40.863 ODP1088
9.893 -39.063 ODP1089
8.900 -41.087 ODP1090

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前回の記事に引き続き、GMTを使っての海底地形図に等深線を描く方法のまとめです。
今回は海底に色を併せて塗ってみます。

以下のスクリプトを実行すると、以下の図が描けます。
今回使っているのはETOPO1_Ice_g_gmt4.grdのNOAAの無料データになります。ETOPO1_Bed_g_gmt4.grdでも大丈夫ですよ。




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range=130/140/30/35
#size is in cm scale
size=12
reso=f
file=test
xy=location

grdcut ETOPO1_Ice_g_gmt4.grd -R${range} -G${file}.grd
makecpt -Cocean -T-6000/0/100 -Z > ${file}.cpt
#
grdimage ${file}.grd -R${range} -JM${size} -C${file}.cpt -E100 -P -K > ${file}.eps
#
grdcontour ${file}.grd -JM${size} -C1000 -W0.5 -L-5000/-200 -A1000tf8 -O -K >> ${file}.eps
pscoast -R${range} -JM${size} -D${reso} -W1 -A -G220 -O -K -Lf135/36/36/200k >> ${file}.eps
psscale -Ba2000g1000f1000 -C${file}.cpt -D6c/-1c/6c/0.3ch -O -K >> ${file}.eps
#psxy ${xy}.txt -JM -R -W -Sd6p -Gred -O -K >> ${file}.eps
#pstext ${xy}.txt -JM -R -O -K -Gred -D0.2/0 >> ${file}.eps
psbasemap -R${range} -JM${size} -Ba1f1/a1f1WSne -O >> ${file}.eps

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1、grdcutについて
オリジナルのETOPO1_Ice_g_gmt4.grdは大変重いので、必要な箇所だけをカットします。

2、makecptについて
「-T」オプションで色のセットを選択できます。今回はoceanを使っていますが、他にも色々用意されています。
「-T」オプションで色の塗り方・間隔を指定します。z値の下限/上限/間隔の順です。

3、grdimageについて
実際に地図に色を塗っているコマンドラインです。
「-E」オプションで解像度(単位はdpi)を指定します。このオプションを付けないと大変荒い図になってしまいます。

4、grdcontourについて
「-C」オプションがコンターの間隔、
「-A」オプションがアノーテーションを付ける間隔(図中に書かれるコンターの数字のこと)数字のあとにtを付けないと、白い四角が背後に映り込んでしまいます。fのあとの数字はフォントのサイズです。
「-L」オプションがコンターを描く下限/上限になります。
「-W」オプションでコンターの太さを指定しています。

5、pscoastについて
「-D」オプションで海岸線のデータの解像度を指定します。上から「f: fine」「h: high」「i: intermediate」「l: low」「c: coarse」
「-W」オプションで沿岸線の太さを指定しています。

6、psscaleについて
色分けの説明に必要な、凡例を与えます。
「-B」オプションでラベルの間隔などを指定します。a数値g目盛りf格子の順です。
「-D」オプションで凡例の大きさを指定します。最後にhを付けると水平方向(horizontal)のスケールバー、抜かすと垂直方向に描かれます。中心の位置(左端から~cm)/上端の位置(下端から~cm)/スケールバーの長さ(~cm)/スケールバーの幅(cm)

7、psxyについて
先頭に#を付けて読み込まないようにしていますが、#を外してプロットしたい点をまとめたファイル(ここではlocation.txt)を用意しておくと、指定した緯度・経度にアイコンを打つことができます。
「-S」オプションでアイコンの形とサイズ、「-G」オプションでアイコンの色を指定します。
また、pstextで個々の点に名前をつけることも可能です。
以下のテキストファイルを読み込ませて描いた図を下の方に載せておきます。

130.650318 31.585311 8 0 1 LM Sakura-jima
134.189459 33.253410 8 0 1 CT Muroto-misaki
139.257435 34.381465 8 0 1 RT Nii-jima

左から順に、経度/緯度/テキストの大きさ/テキストのフォント(0はHelvetica)/テキストの角度/テキストの位置(アイコンの横・下・左などを指定)/書きたいテキスト
それぞれの間は半角スペースで区切ります。
「-D」オプションでテキストの位置を微調整します。x軸方向/x軸方向に移動させることができます。
より詳しい情報はこちらなどのページを参照のこと。

psxyは同じファイルの先頭2列のみを読み込んでいることになります。

8、psbasemapについて
縦軸、横軸を描きます。
「-B」オプションで目盛りやラベルの間隔を指定します。x軸のラベル・目盛りの間隔/y軸のラベル・目盛りの間隔。最後のWSneは西と南には指定したラベルを打つが、北と東はラベルなしの軸にするという意味になります。

※最後に
-Oと-Kがほとんどすべての行に出てきていますが、描画用のラインの最初には「-O」が不要、最後のラインには「-K」が不要なので、注意してください。

〜〜〜

以下は編集例。

1、makecptの-Cオプションを「-Cocean」→「-Cgray」に変更。白黒になります。


2、同じ図にポイントを打ってみます。上述の「location.txt」ファイルを読み込ませます。



3、もうちょっとクローズアップしてみる
上のスクリプトの
rangeを132/134/32/34に
makecptの「-T」を-2500/0/100に
grdcontourの「-C」を100に、「-L」を-800/-100に、「-A」を200tf8に、
pscoastの「-L」をf133/34.2/34.2/50kに変更。




間違いがあったらご指摘ください〜。

2022年1月1日土曜日

2021年振り返り

気づけば2022年になりました。新年明けましておめでとうございます。 

このブログも、最近はなかなか更新できておらず、1年を振り返るのくらいのものになってしまいました。 本当はもっと色々書きたいし、研究上役立つ情報などをまとめたいとは思っているのですが。なかなかまとまった時間が取れず。いつも何かの締め切りに追われていて、優先順位が上がらない。。 

去年、神戸大に着任直後だったこともあり、授業の半分くらいを退職された先生が非常勤講師として担当されていました。それが今年は全て私担当になったので、前期後期ともに授業資料の準備に追われていました。 

前期は主に演習系の授業。2コマ連続開講だったので、前半1コマで座学をし、後半1コマでそれに関連した演習問題(主にフリーソフトやエクセルを使うもの)を解かせる、という形式。 

後期は(今も進行中ですが)2コマ連続開講の座学。地球化学をテーマに、雑多な内容を教えています。教養として+地学分野へのリクルート(研究室選び中の学部2年生が主な対象)を兼ねています。 

他にも、学部1年生に、高校2年生に(高大連携)人為的気候変化のことを教えたり、 学部1年生に「航空部門のCO2排出問題と、海外渡航/旅行/留学について」考えさせる授業を担当したり。

また、前期・後期ともに同じ地学分野の先生と分担で実習(水曜午後2コマ)を担当したり。 実習は去年は多くがオンライン開講になったので、今年は初めて野外に学生を連れ出すものも多く。酒蔵を見学したり、野外で採水・パックテスト・地形観察したり。 新しいことをやっていたので、そちらの準備にも色々と時間を取られ。

もう一つ、大きい決断として、4/1から別の研究機関に異動することになったこと。すでに近い人には報告し、FBやTwitter等でも報告させていただきました。 先日教授会でも退職が承認され(異動先の人事担当者からも特に公にして問題ないと言われたこともあり)、少しフライングで報告させていただきました。
窪田研究室に1名すでに学生が配属されていること、4月からも配属希望の学生がいたこと。そこは大変申し訳ないのですが、私自身と、家族の希望もあり、異動を決意しました。
どこに行くかは4月になってから報告させていただきますが、関東界隈とだけ、述べておきます。 

さて、今年何が起きたか、詳細が全く思い出せないので、いつも通りスケジュール帳をめくりながら、各月ごとに雑多にまとめてみます。 

▷1月
 研究室訪問をいくつか受ける。興味あると言ってくれたのはとても嬉しかった(7名くらい訪問あったけど、結果的に来てくれたの1名だけだったw) 。

▷2月 古生物学会例会で招待講演。ビノスガイを使った古環境学研究についてのレビュー。 「化石」に総説記事を寄稿する運びとなり、原稿の準備を始める(後日) 
初めて卒論・修論発表会に参加。分野が違うとこうも分からない/質問しにくいものだと実感する(うちの学部・研究科は実に多様なテーマ) 
朝日新聞の取材を受ける >メディア

▷3月 
微古生物学会の有志の会で「有孔虫の地球化学」をネタに講演する。つい時間を超過し、喋りまくってしまった。
オンライン学会にいくつか参加(佐野・川幡先生の最終講義、海水化学シンポ、AMS施設現状報告会)

▷4月 
新人助教の懇談会(オンライン)。いろんな先生がいるんだなー、と。音楽、スポーツ、調理、数理、etc。

▷5月 
地化ショートコースの打ち合わせ、色々。
沖縄旅行(北谷のアメリカンビレッジに3泊4日)

▷6月 
JpGUコンビーナー。去年もやった、ユニオンセッション。
なんやかんやオンライン開催の仕組みを一番理解してる自分がメインの司会になり、ハンドリング。招待講演を6件(ポスターセッションはあまり盛り上がらず、すみません。。)

▷7月 
地化ショートコースに運営として参加。
沖縄出張。
SSH指定校の武庫川女子大学附属中高で出張授業。授業後、甲子園球場で野球観戦(初)。

▷8月 
名大ISEEのオンラインミーティングで話題提供。
研究科長に推薦いただき、神戸大学「優秀若手研究者賞」を受賞。>受賞歴

▷9月 
地化学会オンライン大会に参加。古気候セッションで特別企画をし、自分も講師に。
北海道出張(稚内〜遠別〜浜頓別〜枝幸)
地化学会・古気候セッションで企画続編の企画・参加。
親知らずの抜歯。

▷10月 
神戸大学が中心的に行っている中高生向けROOTプログラムで話題提供(休日のボランティア授業)。
秋田大からSさんが来訪し、三宮ニューミュンヘンで飲み。
海事のIさんに地学実習の下見に連れてってもらう。白川の植物化石など。

▷11月 
北海道出張(紋別〜網走)。東大の常呂実習施設を訪問し、貝塚試料もゲット。
兵庫県立長田高校で出張授業。
JAMのKさん来訪。三宮で飲み。

▷12月
岩手県知事三陸海域研究論文賞の二次選考会(オンライン)→「特別賞」受賞。>受賞歴
初めて大学職員組合の会合に参加(実は役員)
家族で淡路島旅行(兵庫県向けの割引キャンペーン利用)

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コロナさえなければ、確実にドイツAWIに長期滞在していたし、Goldschmiidt@リヨンにも現地参加するはずだった2021年。本当に歯痒い思いをしたけど、2020年10月から雇用している技術補佐員さんが頑張って堆積物を洗い、有孔虫を拾ってくれたおかげで、いつでもドイツに行ける準備は整っている。2022年こそは、なんとか海外に行ければと思う。
国際学会として、Goldschmidt@ハワイ、ICP@ベルゲン(ノルウェー)など、狙っているけど、第二子の計画があり、タイミング的に果たしてどうなるか。

4月に次の環境に移り、また研究環境の構築に色々四苦八苦すると思う。代表として持っている基盤Bを150万分2022年度に繰り越したので、環境整備に使える資金はそれなりにある。
しかし一方で、ついに2022年度で基盤Bも終わってしまい、今年申し込んでいたERCAの環境研究総合推進費も不採用となりあとがないので、次年度は基盤Bやら萌芽研究やら国際共同研究強化やらに応募しまくることになりそう(もちろん、ERCAの環境研究総合推進費もリベンジ)。

今年は主著論文が3報、共著論文が3報(うち1本はNature!)出た。>論文
ただし、これらは全て、神戸大学に着任する以前にとったデータが元になっている。実は神戸大着任以降にとれたデータはそれほど多くない。2本くらいの主著論文はこれから書くつもりだけど、高IFジャーナルは到底狙えない。
今年は、研究者としての生産性を飛躍させたいところ。

2021年4月2日金曜日

窪田研究室2年目

コロナと子育てに翻弄され、あれよあれよと過ごしていたらもう一年が経過してしまった。

国際学会も相次いでオンライン開催となり、海外渡航の機会は消滅。特にGoldschmidt@ハワイを楽しみにしていたので、ダメージが大きかった。

AWIで夏を過ごせればと思っていたが、それも叶わず。ドイツの研究機関は今も在宅勤務のところが多いらしい。


国内では、どれもオンライン開催だが、様々な学会で発表をする機会があった。

・地球化学会

・日本古生物学会

・微古生物学の有志の会

・クリタ水環境(研究優秀賞受賞記念講演)


Stay Homeの間に和文1報、英文2報の原稿を仕上げた。

最近英文1報の査読結果が送られてきて、Minor revisionだったので、2021年最初の論文となるのが確実で嬉しい(2020年は英文の主著論文がなかった)。

国際誌に掲載された共著論文は4報。ひとつはIODP Exp. 361次航海の成果でありNatureに掲載されたので、プレスリリースを行った。また、Academist journalにも記事を掲載していただいた。


六甲台から三宮方面を望む

【研究】

2020年度は、基盤Bの初年度の研究費をフルに設備投資に充てた。ほとんど出張もなかったので、実験用の器具や消耗品が充実。

クリーン環境を整備するため、まずは部屋の掃除を徹底的に。途中から技術補佐員を雇用したので、ずいぶん楽に。いまは週1に居室や実験室の掃除をお願いしている。

居室1つ、ラボ2つに加え、学生部屋もできた。

今年度はwetラボの立ち上げがあるので、ホウ素ブランクがどれほどのものかチェックしないといけない。卓上のクリーンブースも導入予定。

年度末に予算が残っていたので、キャンペーンで安くなっていた、Direct-Q(Milli-Q)を導入。なんと50万以下。水道水から直接超純水を製造するというもの。

もともと同僚の先生のをお借りする予定だったが、キャンペーン様様。前任の先生の置き土産のMilli-Qは蒸留水から製造するものだけど、「かなり古いのでカートリッジも交換できない」と、業者の人。セールスための口上か。


念願のMilli-Q

2020年度導入した機器類

・清掃用品一式(掃除機、床磨き機、空気清浄機)

・耐酸ホットプレート

・テフロンバイアル一式

・超純水製造機

・ふるい用の大型超音波洗浄機

・その他(プリンター、大型モニター、ホワイトボード、IT機器類)


【教育】

前任の先生が非常勤講師として2つの授業を受け持っていただいていたので、2020年度の授業のウェイトはそれほど大きくなかった。

ただし今年度からそれらを引き継ぐので、一気に大変になる。ここ1ヶ月授業スライドを作り続けているけど、まだ前期分しか終わっておらず。後期分の授業スライド作成は夏休みにやることになりそうだが、極力空き時間を利用して整備したいところ。


地学系の実習を同僚の地学系の先生と2人で分担しており、私は簡単な顕微鏡観察や巡検(塩屋の神戸層群観察)を行った。今年はそれらを基に、もう少し完成度を上げたいところ。

前期が学部三年生対象の少人数授業、後期が学部二年生対象の大人数授業(15-25人)。

地学なのでやはりフィールドに出たいということで、塩屋界隈の露頭探しに奔走した。やはりコンクリートで覆われているところが多く、なかなか見つけられなかった。良いとされる露頭はもう見られないところだったり、アクセスが悪かったり。ようやく見つけられたところに2回に分けて学部生を引率した(コロナ感染拡大の影響で少人数しか連れて行けなかった)。

他に、灘の宮水と地質をめぐる巡検を企画したが、こちらもコロナで流れてしまい、オンラインでICP-AES測定結果を解析するという味気ないものになってしまった。今年度は採水も含め、ちゃんとした巡検ができればと切に思う。


学部3年生が一名、窪田研究室を志望してくれた。三年生のうちは卒論研究は始まらないので、授業に出席するくらいしか活動はないけれど。

コロナ禍なのでこれといった催しもないので歯がゆい(というか、私自身の歓迎会もなかった)


12月に高大連携授業を経験。オンラインで現地に赴くことができず、高校生と触れ合う機会がなかったのが残念。

授業内容は「人為的気候変化問題」。感触は非常によく、また機会があったら受けたい。

学部1年生向けのオムニバス授業を引き受けることになったので、同じ内容(とはいえ授業時間2倍なので話を膨らませないといけない)を話す予定。自然環境論コース進学や、その先の研究室選びの参考になれば。